小学校で「プログラミング教育必修化」...どういうことか?
~各教科の中で扱い、「プログラミング的思考」を養う~
次期学習指導要領の完全実施と合わせ、文科省は「プログラミング教育」を2020年度から小学校でも必修化す る方針です。ここで注意したいのはその内容です。「情報科(プログラミング)」といった新教科ができるわけではなく、 各教科の学習の中で「プログラミング的思考」を養うことを目指しているのです。
次期学習指導要領と 「プログラミング教育」の位置づけ
※ 文科省「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」(2016_07_19)より
教育情報
小学校
問題の解決には必要な手順があることに 気付くなど、 基礎的な「プログラミング的思考」を 身に付けることができるようにする。
新教科にはせず、現行各教科の中に組み 込む。各教科等の特質に応じた見方・考 え方を働かせた「主体的・対話的で深い学 び」の中で実現し、各教科の強みとプログ ラミング教育のよさが相乗効果を生むよう な指導内容を具体化。
中学校
簡単なプログラムの作成や、コンピュータの働きの 科学的な理解を目指した構造化された内容を 体系的に学ぶ
高校
技術・家庭科にて、 必須とする
※現在も組まれてはいるが、 確実に実施されるようにして いく
「情報科」を、「情報I、II (仮称)」に再編成し、2単位 必須とする
コーディングを学ぶことが目的ではなく、「主体的・対話的で深い学び」の実現に資することが重要!!
プログラミング教育が必要とされる背景
そもそもなぜプログラミング的思考が必要なのか、について主な要因を挙げてみると以下のようになります。 ■近年の人工知能の飛躍的な進化なども含め、身の回りはコンピューターシステムが必然 ■一方人間は感性を働かせ、機械にはできない目的に応じた創造的な問題解決を行う存在 ■身近な生活の中で自販機やロボット掃除機など便利なシステムを使うだけでなく、コンピューターには「意図した 処理を行わせることができること」を理解し、その新しい価値(機能・仕様等)を創造できるようになる必要がある
以上のようなことから「プログラミング的思考」、つまり自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動 きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せ をどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力が必要である、と いう意図(ねらい)に基づいています。
しかしながら「プログラミング教育」「プログラミング的思考」を現場の先生がたや、さらに各教科へどのように落とし込 んでいくか、などには、もう少し段階や時間が必要そうです。具体的な事例の集積や共有・研修、専門人材の参画 も含めた社会との連携や体制構築、ICT環境の整備など、クリアすべき課題が数々あるのも事実です。 いずれにしても、目の前にいる子どもたちの理解を深め、今後をしっかりサポートしていくためにも、学校教育の変化 や動向を引き続きウォッチしてまいりたいと思います。
小学校では具体的にどのような活動が行われるのか? ~文科省が検討段階で示した活動例~
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